生春巻きに合う日本酒・ワイン
生春巻きに合う日本酒
なぜ合うのか:食材から考える
生春巻きを構成する代表的な食材は、ライスペーパー、春雨、ボイルした海老や魚、キュウリ、葉物野菜、香菜と豊富。多彩なテクスチャーです。
そして甘辛いスイートチリソース(ニョクマムの場合もある)。これらが一纏まりになったお料理に合わせるには、“爽快感とやや果実感のある香りと甘酸を湛えた優しい味わい”のお酒を用意し、香味とトーンのペアリングを重視すると良いでしょう。
なぜ合うのか:酒質から考える
本場ベトナムでは、もっぱらアジア系の爽快さとのど越しが身上のビールで楽しむようです。
ですが、これだけの食材が集まった料理であれば、多様性と複雑性もある日本酒の方がペアリング可能。
双方の良さを引き出すためにも“ややライトボディで爽やかな香気のある穏やかで瑞々しい味わいの純米吟醸酒”が最適と言えます。
楯野川 清流 純米大吟醸酒
華やかかつ爽快な香気は、まさに香味野菜とピッタリ。
ボイルしたエビや魚の穏やかな旨みと香りにもストレスなく寄り添います。
スイートチリソースの甘味に、華やかでメロンやバナナを思わせる香りが溶け合いワンランク上の味わいに変化。
全体的に瑞々しく小気味の良い食感をもつ食材でまとめられているので、名前の“清流”の通りサラリとした酒質とベストペアリングします。
土田 Tsuchida99 生もと
意表を突かれたマッチング!
前述した王道とは異なり、この異質な酒質が針の穴を通すような相性を魅せてくれました。
甘酸はスイートチリソースに、粘性の高さがライスペーパーのもちもち感に、そしてキュウリと香味野菜の持つ青い香りがTsuchida99のメロン感と合わさり、相互を引き立て合いました。
海老や魚の旨みには、麹由来の旨みがカバー。濃密で濃厚な味わいで食材とのトーンが心配でしたが、新たな発見をさせてくれるペアリングとなりました。
まとめ
食感も味わいも異なる食材をシンプルな状態でまとめ上げた「テクスチャー」と「ダイレクト感」が楽しめる生春巻き。
その分、ライスペーパーの中に入れる食材で合わせるお酒も変化させることが出来ます。
今回は、王道のレシピに親しみのあるスイートチリソースで頂く場合のペアリングですので、これを基本として新たな発見が楽しめるかと思います。是非、ここに紹介したお酒でアレンジレシピを試してみてはいかがでしょうか?