アルコール添加は悪いことじゃない!!
長く飲まれているには理由がある。
醸造アルコールは『香味』と『キレ』の立役者。
「酒は純米酒だろ!」
「醸造アルコールが入っていると悪酔いするよね・・・」
「そもそも添加物は悪!化学薬品みたいなものでしょう?」
ちょ、ちょっと待って!醸造アルコールってそんなに悪いものではないのです!!
そもそも醸造アルコールってどんなものであるか、皆様ご存じでしょうか?
醸造アルコールってなに?
醸造アルコールは、主にサトウキビを原料として醸造、その後蒸留機にかけてから、さらに清留した純度の高いアルコールのことを指します。
サトウキビ由来の香りや味はほとんどなく、クリアな味わいをしています。
食物由来の原料から作られた純粋なアルコールであり、コレそのものが悪酔いの大きな要因になる、と明言している化学的根拠も医学的な資料も存在していません。
あの高級酒にも醸造アルコールは添加されている
普通酒や本醸造酒と呼称される日常的に楽しまれているお酒の他、華やか上品で透明感のある一本8,000円以上の憧れの大吟醸酒・・・まさにハレの日のお酒ですが、こちらにもしっかり醸造アルコールが入っているのです。
しかも使っている量も本当に僅か。 蔵によってまちまちですがおおよそ本醸造の仕込みで約3%程度の添加量で、吟醸、大吟醸となるにつれ添加量も減っていきます。
悪酔いしそう、化学薬品のようなもの、純米に出来ない酒に使われる・・・
こんなイメージの醸造アルコールが一体なぜ、こんなにも多く、そしてこのような高級酒にも使われているのでしょうか?
なぜこんなにも悪者に?
そもそも、醸造アルコールは発酵によって造られた純度の高いアルコールで、合成アルコールは認められていません。体に悪いものが入っていませんので、醸造アルコール自体が悪酔いの原因にはなりません。
さらに、醸造アルコールを添加するメリットはたくさんあります。
・クリアでキレのある味わいになる
醸造アルコールは非常に辛口で、それを添加した日本酒も必然的に辛口になります。加えて、飲み口が軽く、クリアな味わいの日本酒に仕上がります。
醸造アルコールを添加したお酒は料理との相性も幅広く、云わば酒質強化されている為、流通にも耐え、温度変化にも強く燗酒にも適しています。
・香味を引き立たせる
揮発性の高い醸造アルコールの効果の一つとして、香気成分がより表に出やすくなる働きがあるといえます。
酵母の香気成分は、水よりもアルコールに溶けやすいという性質があります。
醪(もろみ)にアルコールを添加することで、アルコールに酵母が溶けて、酵母の香りが日本酒に移りやすくなっているのです。
「吟醸香」と呼ばれる吟醸酒や大吟醸酒のフルーツのような華やかな香りは、醸造アルコールの添加によって、より引き出されています。
実は鑑評会に出品されるお酒のほとんどが大吟醸酒、ということからもこの理由がわかりますね。
上手に使えばこれだけのメリットがある醸造アルコール。
是非、一度騙されたと思って、食わず嫌いせずにお試しくださいね。
この記事をシェアする。